パスポートといえば、海外へ旅行する際に必携の書類を思い浮かべます。“ITパスポート”と聞けば、IT業界で働くために必要な資格、そうイメージしていいと思います。では、“IT”とは何でしょうか? 身近な言葉として浸透したので、改めて考えることはないかも知れません。Information Technology(インフォメーション テクノロジー)の略で、「情報技術」のこと。「コンピュータやデータ通信に関する技術の総称」として用いられ、今やあらゆるビジネスシーンで求められる技術と言えます。
ITパスポートは、他の情報処理技術者試験を含めた中でレベル1に位置づけられています。情報処理技術者資格はレベルが明確ですから、ITパスポートをファーストステップに、キャリアアップを図りましょう。

1. ITパスポートと初級シスアド

 コンピュータ・情報処理分野の国家資格「初級システムアドミニストレータ(=初級シスアド)」。経済産業省認定の国家資格で、試験を行っていたのは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)です。

1994年に始まったシステムアドミニストレータ試験ですが、96年から「上級」が新設されたのを受け、“初級”として区別されるようなりました。初級シスアドに必要なのはコンピュータ・情報処理の基本的な知識。スペシャリストとしての専門性よりも、あらゆる業界・業種で求められるパソコン処理能力を認めた資格と言えます。

2009年春、初級シスアド試験の終了に合わせて新たにスタートしたのがITパスポート。ただ、初級シスアドをそっくりそのまま引き継いだわけではありません。もっと広く浅く、コンピュータ・情報処理にかかわる人たちを認定しよういう狙いがあります。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のホームページによると、ITパスポート試験の受験者に求めることとして、以下のような記述が掲載されています。
○ITを正しく理解し、業務に積極的に活用し、付加価値を生み出していけるか
○職場内の課題を把握・分析し、そして解決するためにITをどのように活用すれば有効かを理解しているか
○ITを安全に利用するための知識や、企業のコンプライアンス向上に資するための知識を備えているか

初級シスアドがスタートした頃よりも、さらに急速な発達を遂げ続けるIT。仕事に限らず、人の暮らしも密接にかかわるようになりました。「すべての人が“読み、書き、計算力、英語力”とともに“IT力”が最低限身に付けておいて欲しい基礎的素養となる」(IPAのHPより)のは時代のニーズです。すでに仕事に就いている人にとっても、これから仕事に就こうとしている人にとっても必携の“パスポート”。それが「ITパスポート」です。